HD,HDF/血液透析製品 ダイアライザー(血液透析器)

ダイアライザー(人工透析器) 国内生産で実現する、 患者さんのニーズに合致した性能と 品質のダイアライザー

 日本の透析患者数は増加傾向にあり、血液透析(HD)におけるダイアライザー(血液透析器)に最適な機能と品質が求められています。フレゼニウス メディカル ケア ジャパンでは、国内の患者さんのニーズに合致した性能と品質を実現するために、紡糸から組み立てまで一貫した生産体制を国内で確立しました。これを機にフレゼニウス メディカル ケア ジャパンではグローバルに使用しているFXクラス®のブランドおよび技術を活用し、2008年にFX-SシリーズとFXシリーズの国内生産を開始しました。

ダイアライザー生産の国内一貫体制を構築

ダイアライザー生産の国内一貫体制を構築

   国内で生産するFXクラス®はポリスルフォン 膜の紡糸(犬飼工場)からダイアライザーの組立て(豊前工場)まで、一貫生産体制の下で作られています。

   また豊前工場の開発部では、国内のお客様のニーズをより早く的確に把握し、製品の開発や改善に貢献できるよう万全の体制を整えました。フレゼニウス メディカル ケアはこれからも技術革新を通じて、性能と品質の向上に取り組んでいきます。

FXクラス(R)膜の特長-多面的視点からの考察

FXクラス(R)は性能だけでなく、

 

FXクラス(R)の特長

素材・製造プロセスの安全性

素材・製造プロセスの安全性

図1.洗浄250mL毎の吸光度の推移1)

 

 1.5m2前後のダイアライザーに生理食塩水1Lでプライミングを行い、250mL毎に採取した洗浄液の吸光度を比較した。FX-S 140、FX 140は洗浄当初から他膜に比し著しい低値であり、残留溶出物が少ない傾向を示した。

 

素材・製造プロセスの安全性

図2.洗浄250mL毎のCOD値の推移1)

 

 FX-S 140、FX 140は、過マンガン酸カリウム還元性物質有機物総量の指標としてのCOD(化学的酸素要求量)値においても他膜に比し、低値傾向を示した。
過マンガン酸カリウム還元性物質:透析器の溶出物試験項目のひとつ。湖沼、海域を主な測定対象とし、水質が悪化するほど値は高くなる。
参考資料
1) 堀内勇人(日本赤十字社医療センター) 第19回日本臨床工学会ランチョンセミナーにて発表

 

 

 

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経済性と環境問題への貢献

経済性と環境問題への貢献

図3.患者数別の廃棄コスト比較2)

 

 ダイアライザーの廃棄処理コストを患者数300名にて比較した結果、小型化・軽量化を実現しているFX 180と他製品とでは、約112万円の差額であった。

 

 

経済性と環境問題への貢献

図4.FX 180 二酸化炭素の発生量2)

 

 地球温暖化の原因と言われているCO2の発生量では、 FX 180が他製品に比べ低い値を示した。
参考資料
2) 岡田國男(南多摩病院) 第19回日本臨床工学会ランチョンセミナーにて発表

 

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透析医療の質の向上

透析医療の質の向上

図5.各溶質の除去率3)

 

 除去率に関しては、小分子量物質およびβ2-MGに有意差はなかったが、α1-MGではFX-S 180が22.5%と製品aに比べて有意に高値を示した。

 

透析医療の質の向上

図 6.アルブミン漏出量3)

 

 FX-S 180の1透析あたりのAlb漏出量は、製品aに比べて有意に高値を示したが、その漏出量は平均2.9gであった。
参考資料
3) 高尾晃輔(岡山済生会総合病院) 第19回日本臨床工学会ランチョンセミナーにて発表

 

 

 

新製品FX-Sシリーズ (V型)FX-S FXシリーズ (IV型)
FXclass

 

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FXクラス(R)ダイアライザーの特長

 FXクラス®ダイアライザーは、らせん形状を有するブラッドポート、独自の滅菌技術により安全性を重視したインライン蒸気滅菌、環境に配慮したポリプロピレン素材、さらに効率的な透析液供給を可能にするピナクル構造などを特長としています。

FXクラス(R)ダイアライザーの特長

 

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FXクラス(R)膜の構造

   FX クラス®膜の内径は185μm、膜厚は35μmであり、約1μm の緻密層(内面)と約34μm の支持層からなります。内面平滑性は高く、優れた生体適合性を持っています。

 

非対称膜(FX-S膜の電子顕微鏡写真)

 

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FXクラス(R)の各部の構造と機能

 
1.血液側ポート
   血液側ポート部はらせん形状を有しています。これにより、血液の均一な流れ、ヘッダー領域での血液滞留部の減少など、血流動態の改善、プライミング効率の向上が図られています。

 

  血液側ポート

2.ピナクル構造

 スリット状の部分から透析液が中心部に向かって均一、かつ強力に送り込まれます。
 このピナクル構造と、血液側ポート部をらせん構造としたことにより、透析器の各部分のクリアランスが均一となりました。
 
ピナクル構造

ダイアライザー各部の透析性能の均一化  
 下図はF-SシリーズとFXクラス® のダイアライザーを25 のセクションに分け、各部のビタミンB12のクリアランスを比較したものですが、血液側ポート部の改良とピナクル構造の採用により、ダイアライザー各部の透析性能の均一化が図られ、結果として従来のダイアライザーと比べ高性能を実現しました4)

 

ダイアライザー各部の透析性能の均一化

参考文献
4)Külz M, Nederlof B, Schneider H : In vitro and in vivo evaluation of a new dialyzer.
   Nephrol Dial Transplant 17 : 1475-1479, 2002

 

 


3.3Dマイクロウェーブ

 3Dマイクロウェーブ構造をとることにより、適度な中空糸充填率と、ダイアライザー内部の透析液の流れの均等化が図られます。
 FX-Sシリーズ、FX シリーズでは、この3Dマイクロウェーブ構造を右図の様により緻密にし、膜表面の透析液の流れをさらに改善して、より高い透析効率の向上を図っています。
 
3.3Dマイクロウェーブ
3.3Dマイクロウェーブ

 

4.インライン蒸気滅菌
 フレゼニウス メディカル ケアが開発した独自の滅菌技術です。  
 血液側、透析液側に連続して高温高圧蒸気が流れ、パイロジェンのない滅菌状態を確保します。エチレンオキサイドガス(EOG)の残留やγ線照射による品質の劣化がなく、アレルギー反応や細胞毒性も生じません。
 

 

4.インライン蒸気滅菌

 

5.低比重のポリプロピレンを容器に採用
   ポリカーボネートの比重が約1.2 であるのに比べ、ポリプロピレンは比重が約0.9 程度と、汎用プラスチックの中では最も軽いにもかかわらず、引っ張りや折り曲げに対して非常に強い性質を持っています。
 

 

5.低比重のポリプロピレンを容器に採用

 

 

 

 

 

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FXクラス(R)膜の特性

生体適合性

   FX クラス®膜は内表面の凹凸が少なく、優れた血液接触表面を持っています。またフレゼニウスポリスルフォン®膜(従来のF-S に使用)の化学的性質を保持しているため、補体活性化や白血球減少が少ない性質を持っています。

 下図はFX クラス®使用時のC3aと白血球数の推移を、透析開始時を100%として表したものです5)


生体適合性

 

FXクラス®膜の膜表面の形状

FXクラス®膜の膜表面の形状

左図は5μm×5μmの範囲で走査したFX クラス®膜とフレゼニウスポリスルフォン®膜の三次元原子間力顕微鏡写真を比較したものです6)。画像中の暗い部分は膜表面の凹部、明るい部分は凸部に相当します。
 FX クラス®膜の内側表面はフレゼニウスポリスルフォン®膜に比べ、さらに表面の凹凸による高低差が小さく、よりなめらかな膜となっています。

 

参考文献

5) 上田貴美子, 阿波加和美, 重見美智子, 田尾伸幸, 山本英則, 長宅芳男, 中村明彦, 平松 信 : FPX 140とPS-1.6N の比較検討. 腎と透析 55 別冊ハイパフォーマンス メンブレン ’03 : 31-35, 2003
6) Bowry S, Ronco C : Surface topography and surface elemental composition analysis of Helixone®, a new high-flux polysulfone dialysis membrane. Int J Artif Organs 24 : 757-764, 2001

 

 

 

 

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フレゼニウス メディカル ケアのポリスルフォン中空糸膜開発

 フレゼニウス メディカル ケアは1982 年、ポリスルフォン膜ダイアライザーを世界に先駆けて完成させました。1983 年、StreicherとSchneider はHD、HDF、HF の各モードで評価を行い、いずれのモードにおいても優れたクリアランスを示すことを発表しました7)
 21世紀になると、フレゼニウスポリスルフォン®膜はFX クラス®膜へと進化しました。FX クラス®膜は従来のフレゼニウスポリスルフォン®膜と比べ内径は200μmから185μmへと細くなり、内面はより緻密に、緻密層の厚さはより薄くなりました。
 緻密層は透析膜の分離特性を決定する上で非常に重要な領域です。物質はこの緻密層を透過すると、膜の残りの部分(支持層)も比較的障害なく通ることができます。
 下図は中空糸最内膜表面から1.0μm の緻密層をTEM(透過型電子顕微鏡)により観察し、その緻密度をコンピューター画像分析法で示したものです。

 

  左図にフレゼニウスポリスルフォン®膜の結果を、右図にFX クラス®膜の結果を示します。縦軸は本分析法による明暗度を数値化することにより膜のポリマー密度を表し、横軸は膜の内側からの距離を示します。すなわち膜の外側ほどポリマー密度が低下することを示しています。
 フレゼニウスポリスルフォン®膜の緻密層では、最内膜表面から約0.4μm(400nm)の深さに至るまでポリマー密度の比較的高い領域が存在し、これよりも外層は密度が連続的に低下しています。このポリマー密度の高い部分では物質透過に対する抵抗が大きいと考えられます。一方FX クラス®膜の緻密層では、約0.05μm(50nm)に最もポリマー密度の高い部分があり、これよりも外層はポリマー密度が 連続的に低下しており、FX クラス®膜はフレゼニウスポリスルフォン®膜に比べ緻密層における物質の透過に対する抵抗が小さく、溶質の透過性がより高くなると考えられます8)
 今回、このFX クラス®膜の分画分子量をさらに拡大し、β2‐ミクログロブリンの除去性能を向上させたFX-Sシリーズを製品化しました(国内生産)。

 

フレゼニウスポリスフォン

 

参考文献
7) Streicher F, Schneider H : Polysulphone membrane mimicking human glomerular basement membrane. Lancet 2 : 1136, 1983
8) Ronco C, Bowry S : Nanoscale modulation of the pore dimensions, size distribution and structure of a new polysulfone-based high-flux dialysis membrane. Int J Artif Organs 24 : 726-735, 2001

 

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カタログ

FXクラス®ダイアライザーカタログ○「FXクラス®ダイアライザーカタログ
 (PDF/3,028KB)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハイパフォーマンスメンブレンの種類と特徴○「ハイパフォーマンスメンブレンの種類と特徴
  (PDF/7.409KB)

工藤俊洋:Ⅱ-3 PS膜 A フレゼニウスポリスルフォン®.ハイパフォーマンスダイアライザー2008(竹澤真吾,荒川昌洋,福田誠編),p37-48,東京医学社,東京,2008

 

 

 

 

 

 

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